もやしの達人

<外食レストラン新聞 2011/02/07日付383号 13面掲載>
◆「まめどんとアサリのスープ」
◆「まめどんの炊き込みご飯」
無窮花(店主・愼月順氏)

もやし料理の王道 小大豆モヤシをおいしくする韓国料理の知恵 「無窮花」店主・愼月順氏

韓国で毎日のように食されている大豆モヤシ。ナムル、スープ、チゲ、炒め物など、日本よりも幅広い料理に使用されている。日本では、小大豆モヤシの流通が主で、多くの韓国料理専門店で導入されているが、調理には外せない重要なポイントがあるようだ。簡単にみえるナムルひとつとっても、そのポイントを無視すれば、仕上がりに雲泥の差がでてしまう。今回は、服部栄養専門学校の教授を務めながら、韓国宮廷料理「無窮花」(ムグンファ)で腕を振るう愼月順(シン・ウォルスン)先生に、韓国料理の知恵を踏まえた、小大豆モヤシ調理の王道を聞いた。

韓国の常識!
蓋をして水からゆでる

◆「自店でも導入」

 「韓国では大豆モヤシが主流で、日常的に使われています。日本では、小大豆モヤシの方が、手に入れやすく、業務用としても、多くの韓国料理店、焼き肉料理店で、すでに導入されていますね。実は、私の店でも半年ほど前から小大豆モヤシを導入しました。豆の大きさが適度で、沸騰後10分以上ゆでなくてはならない大豆モヤシに比べ、4分前後で火が通り、作業効率がよくなりました」

◆ゆでる際の極意

 「口当たりよく、まっ白に仕上げたいので、ヒゲ根は必ず包丁で切り取ります。小大豆モヤシと少なめの水(ひたひたの水)を鍋に入れ、必ず蓋をして、水からゆでます。大豆モヤシをゆでる際の韓国での常識で、そうすることにより、豆臭さを取り除くことができます。また、モヤシがしおれてしまうので、塩を加えないのが私流」

◆味付けのポイント

 「野菜である小大豆モヤシを使う料理は、副菜が多いので、味付けは控えめがよいでしょう。肉や魚を使い、味や風味が濃くなりがちな主菜とのバランスがよくなります。また、薄味の方が野菜をたくさん摂取でき、健康的です」

◆ナムル作りでは

 「必ず最初に、ごま油であえて、モヤシをコーティングします。水っぽくなりにくく、野菜としての鮮度を保ちやすくなります」

◆お薦めは、まめどん

 「学校の授業や各地で開催している料理の講習会で使用している小大豆モヤシは、成田食品の『まめどん』。もちろん、店でも使っています。シャキッとした食感、白さ際立つ美しさ、素材のおいしさを堪能できる小大豆。韓国では、モヤシのゆで汁に塩と醤油を加えただけのものをスープとして飲みます。よい味が抽出できるというのも、重要な要素です。また、他のモヤシに比べ、タンパク質やカルシウムなどが豊富で、栄養面でも注目しています。もっと食事に取り入れていただきたいですね」

●愼月順(シン・ウォルスン) プロフィール

 韓国宮廷料理「無窮花」店主、服部栄養専門学校 教務部食品加工室課長

 1946年4月生まれ。1965年より韓国料理教室を受講しながら助手を務める。1968年韓国食材店「丸真」を兄と経営。1974年服部栄養専門学校栄養士科を卒業と同時に同校で教鞭をとり、教授として現在に至る。1995年に韓国宮廷料理「無窮花」を開店。1970年より始めた韓国料理教室を、同店にて引き続き開催するなど、韓国料理の普及、人材育成に尽力している。

◆まめどんとアサリのスープ
豆のおいしさを堪能

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◆まめどんの炊き込みご飯
薄味に仕立て、好みで薬味だれを

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「まめどん」 ヘルシー要素が盛りだくさん

 植物性タンパク質、食物繊維、カルシウム、ビタミンEなどヘルシー要素いっぱいの小大豆モヤシ。従来の豆モヤシの青臭さを取り除き、独自の技術とパッケージ方法により、折れ、傷が少なく、日持ちするよう工夫されている。
▽規格=業務用1kg

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